SAPコンサルタントは、「インプリメントコンサルタント」や「インプリコンサル」という別名で呼ばれることもあります。これは、一般的なITコンサルタントと比べると、業務の範囲・内容に異なるところがあるためです。

もともとインプリメント(implement)は「(契約・計画などを)履行する」「実行する」という意味の単語ですが、IT用語としては「(システム・機能を)実装する」、コンサル用語としては「(戦略・計画を)実施する」といった意味で使われます。

今回は、この「インプリコンサル」という言葉を通じて、SAPコンサルタントの業務内容の特徴について紹介していきます。ITコンサルティング業界の基本的な部分なので、興味のある人はぜひチェックしていただければと思います。

ITコンサルにおけるインプリの位置づけ

ITコンサルティングを大まかに2つのフェーズに分けると、現状を分析してシステムに関する計画を立てていく「企画・戦略フェーズ」と、実際にシステム開発を行い実装していく「システム導入フェーズ」があります。インプリメントとは、このうち後者のほうです。

インプリメントにおける作業は、上流工程である企画・戦略フェーズで固まった計画に基づいて、システム基盤やデータベースの設計・導入、システムの詳細設計、ERPの導入・パラメータ設定・カスタマイズ・アドオン開発、システムテスト等を行うことです。

計画の内容を正確に理解して、それをクライアント企業の業務と照らし合わせながら、より具体的なかたちでシステムの設計に落とし込んでいくことになります。そのうえで、実際にシステムを構築し、業務において使えるようにしていきます。

SAPコンサルタントの仕事内容

SAPコンサルタントが担当するのは、当然ですがSAP製品に関するインプリメントの部分です。企業がシステムを導入するのは業務改善という目的があるからですが、それを実現するためにSAP製品を実装していくのが仕事です。

SAPコンサルタントには業務コンサルタントやプログラマー、インフラエンジニアといったかたちで、さまざまな職種があります。また、領域も財務会計(FI)、管理会計(CO)、在庫購買管理(MM)、販売管理(SD)等、細かく分かれており、必要となる知識が異なります。

プロジェクトには、こういったさまざまな職種や領域ごとに知識を持ったメンバーが参画します。チームメンバーそれぞれが自分が持つスキルを生かしながら連携し、1つの目的に向かってプロジェクトは進んでいくことになります。

インプリコンサルに必要な3つの能力

「インプリコンサル」とも言われるSAPコンサルタントに必要なのは、「SAP製品の知識」「業務知識」「プロジェクトマネジメントのスキル」です。この3つの能力について、簡単に説明していきます。

まずはSAP製品の知識ですが、SAP製品を導入する専門家であるわけですから当然必要になるスキルです。ただし、SAP製品のすべてを知っている必要があるわけではなく、自分が担当する職種や領域に関する部分について深い知識を持っていることが重要です。

次に業務知識ですが、SAPコンサルタントの目的はクライアント企業に合わせたかたちでSAP製品を導入し、それによって業務を改善することです。そのため、単にSAP製品の知識だけでなく、クライアント企業の業務を理解していることも求められます。

最後にプロジェクトマネジメントのスキルですが、SAP製品の導入プロジェクトは大規模なものが多く、多数のメンバーが関係する複雑な工程が組まれます。プロジェクトを適切に進める管理能力は、SAPコンサルタントとしてステップアップしていくうえでとくに重要となる部分です。

超上流工程に挑戦することも可能

SAPコンサルタントについて、「インプリコンサル」という視点から解説してきました。一言でSAPコンサルタントと言っても業務範囲は広いですが、インプリメントという意味では、システム開発の現場に近いところがあるかもしれません。

しかし、SAPコンサルタントとしての経験を積むことは、単にSAP製品のスペシャリストになるだけでなく、ITに関する幅広い経験を積むことにもつながります。そのため、SAPコンサルタントとして歩み続けるのはもちろんのこと、超上流工程のITコンサルタントに挑戦することも十分可能です。

SAPコンサルタントはフリーランスとしても活躍できる環境にあり、自由な働き方を実現しやすい職業と耳にすることがあります。それだけではなく、キャリア形成のうえで広い可能性があるという点についても、ぜひ押さえていただければと思います。

(画像は写真ACより)