デジタルマーケティングにおいてERPは必要不可欠

ERP(統合基幹業務システム)を導入することによって、これまで単独で存在してた基幹システムが統合され、複数のシステムを同時に利用できるようになりました。

そのため、ERPはデジタルマーケティングを行ううえで、必要不可欠なシステムといえます。

企業がERPを導入する流れは統計データにも現れており、ERPの市場は年々拡大傾向となっています。ERPに対する投資が活性化している様子が読み取れます。

ERPの市場は拡大傾向

ERPの市場動向については、矢野経済研究所が2020年9月に公表した「ERP市場動向に関する調査」を参照します。

それによると、ERPパッケージライセンス市場の規模は2015年から2019年にかけて毎年上昇を続けています。2020年以降の数値は予測値となりますが、2021年のみ前年比で減少が予測されているものの、それ以外の年は前年を上回る見通しです。

2021年に限り前年比で市場規模が縮小する背景は、新型コロナウイルスの感染拡大により、企業が投資を控えることが予測されるためです。しかし、そのような特殊要因を除けば、全体的には市場規模が拡大を続けるものとみられます。

同研究所では、2022年の市場規模は2021年と比較すると転じると予想しており、全体的にみるとERPの市場規模は拡大傾向にあることがわかります。

ERPの導入で業務が効率化 企業の投資意欲は高い

ERPの市場規模が拡大傾向にある背景は、ERPを導入することによって企業にメリットが得られるためです。

ERPとは、企業で利用している基幹システムがまとめられたものであるため、統合されたデータベースを利用できる点がメリットといえます。

企業で利用している基幹システムとしては、生産管理、販売管理、在庫管理、財務管理などの各システムがあり、これらは企業が経営活動を行うにあたって必要不可欠なものです。

ERPが導入されていない場合、これらのシステムの管理は別々になっています。顧客のニーズを満たす商品を開発する場合、あらゆるデータを参照することで効果を高められますが、それを満たすのがERPの導入です。

さまざまなデータを活用することによって、顧客のニーズを満たす商品を世に送り出すことができ、売上アップが見込めるなら、企業としてはERPを導入するための投資を積極的に行うことでしょう。

このような背景から、企業がERPに投資する意欲は強いといえるのです。

ERPの投資回収は3年以上かかるケースも

ERPを利用している企業は増加傾向にありますが、初めてERPを導入する企業が知っておきたいことは、投資した額を回収するためにどの程度の期間が必要か、ということではないでしょうか。

そこで、ERPの投資回収にかかる期間について調べていきます。

アメリカのERPコンサルティング会社、パノラマ・コンサルティングは、同社が公開しているレポート「CLASH OF THE TITANS 2017」において、ERPベンダー別の投資回収期間を掲載しています。

同レポートにはSAP、オラクル、マイクロソフト、インフォアの計4社に関するデータが記載されています。

各社のデータを参照すると、投資回収の期間は以下の通りとなっています。

SAP
・1年未満:8%
・1年以上3年未満:25%
・3年以上:59%
・投資回収の必要なし:8%

オラクル
・1年未満:8%
・1年以上3年未満:25%
・3年以上:50%
・投資回収の必要なし:17%

マイクロソフト
・1年未満:6%
・1年以上3年未満:31%
・3年以上:13%
・投資回収の必要なし:50%

インフォア
・1年未満:12%
・1年以上3年未満:20%
・3年以上:12%
・投資回収の必要なし:56%

参考:パノラマ・コンサルティング
CLASH OF THE TITANS 2017
https://www.panorama-consulting.com/

上記のデータを参照すると、SAPとオラクルのERPを利用すると、投資回収が終了するまでに3年以上を要する企業が多いことがわかります。

また、マイクロソフトとインフォアの場合、ERPを利用しても投資回収の必要がないケースが半数以上を占めています。ERPを利用しても投資回収が発生しない理由としては、クラウド型の利用で初期費用が発生せず、月額料金のみがかかるサービスがあるためと考えられます。

なお、マイクロソフトとインフォアの両社ともに、投資回収が発生する場合、最も多いのは1年以上3年未満となっており、SAP、オラクルと比較すると投資回収の期間は短くなっています。

クラウド型のERPを利用すると、投資回収期間は短めに

次に、ERPの投資について日本国内での調査データを参照します。

日本オラクル株式会社が2019年3月に公開した「中堅・中小企業のクラウドERP活用の実態調査」の要約を参照すると、中堅・中小企業がERPに投資した場合の回収期間は2か月~1.9年となりました。

ERPにはサーバーなどのハードウェアを自社で導入する必要があるオンプレミス型と、サーバーなどを自社で導入せずクラウドサーバーを利用できるタイプのクラウド型があります。

クラウド型はオンプレミス型と比べると初期投資額を抑えられることもあり、投資回収期間は短めとなります。

ERPを導入する場合の問題としては初期費用がかかる点がありますが、クラウド型のERPを導入すれば低コストとなります。企業によっては2か月で投資額を回収できる場合もあるため、クラウド型のERPの導入も検討したいところです。

参考:日本オラクル株式会社 
投資回収期間は2か月~1.9年、中堅・中小企業のクラウドERP活用の実態調査(要約)
https://wp.techtarget.itmedia.co.jp/contents/36621

まとめ

ERPの市場規模は拡大傾向にありますが、その背景としては、企業が業務効率化という課題を達成させたいことが考えられます。

問題となる点はERPを導入した場合の投資回収期間ですが、3年以上かかるケースもあるものの、導入コストを抑えられるクラウド型のERPを利用すれば、投資回収期間は1年~2年程度に抑えられます。

企業経営の負担をできる限り軽減させるためにも、投資回収期間の短いERPのサービスを選ぶことも検討してみましょう。

(画像は写真ACより)