はじめに

「ERPの導入には、どの程度の期間が必要ですか?」と質問されることが度々あります。システムの導入プロジェクトに携わったことの無い方であれば、どの程度の期間が必要になるのか、想像するのは難しいのではないでしょうか。今回は、ERPの導入でスケジュールをたてる際のポイントについてまとめました。

一般的な導入期間

ERPシステムを導入するには、半年から3年程度と、かなりの時間を要します。導入期間のバラつきには、色々な要因があります。プロジェクトの難易度・予算・開発(アドオン)機能の数・メンバー調達・リスク管理・意思決定のスピードなど、スケジュールをたてる上で考慮すべきポイントは多いです。社内のプロジェクト責任者は、多くのリスクや、遅延要素を鑑みた上で、マスタスケジュールを検討していく必要があります。

スケジュール立案時に理解しておく事

ERPを導入するとなった際には、外部のコンサル会社に提案を依頼するケースが多いです。その際、各コンサル会社は、過去の事例を踏まえて見積もり&スケジューリングします。ここで重要なのは、見積もりには様々な前提条件が置かれている(記載されている)ことです。提案時には、依頼側に潜在する課題やリスクがわからない状態なので、多く前提を置いた上でのスケジュールになっていることを理解しておく必要があります。

実際に、プロジェクトが開始されれば、計画したスケジュールを守るために、社内プロジェクトメンバーと導入コンサルが協力して、多くの課題(提案時の前提とズレていた部分も含めて)に
対応していくことになります。

プロジェクトで遅延が発生する理由

遅延が発生する理由は様々あります。私の経験則ですが、フェーズ別によくあるポイントを紹介します。
要件定義フェーズでよくあるのは、「提案時に頂いていた内容とギャップが大きい」「導入コンサルのスキル不足」「顧客が意思決定しない」などです。設計・開発フェーズでは、「要件が決まりきっていない」「開発者との意思疎通に時間がかかる」「開発物の品質が悪い」などです。テストフェーズでは、「テストシナリオの増加」「検証者が繁忙期で時間が取れない」などです。

各フェーズで発生する様々な課題を、社内プロジェクトメンバーと導入ベンダー間で、しっかり共有されることが重要です。悪い話も素直に共有し、どのような対策を打っていくかを、一緒になって考えられる関係性を築いていくことが、プロジェクトの成功へとつながります。

遅延を解消するための施策

遅延が発生した際には、遅延を解消するための施策を考えなければいけません。実施予定である作業に対しては、ECRSの考え方がよく使われます。

E:Eliminate(排除) 作業内容を見直して、出来る限り不要な作業を無くします。
C:Combin(結合) 似ている作業や課題を結合結合させて、作業の重複を無くします。
R:Rearrange(代替) 時間のかかる作業、複雑な課題に対して、本質的に対応すべき内容を再度確認し、効率的な代替案を考えます。
S:Simplify(簡素化) 実施する各作業をシンプルにしていくことで、工数を削減します。

また、遅延を解消するために、人員の追加も実施しますが、参画者がすぐにバリューを発揮するのは難しいです。人員の追加は、中長期的に遅延を解消する、チーム力を強化するための施策を考えておくべきでしょう。

まとめ

今回は、ERP導入プロジェクトで理解しておくべきポイントにざっくりと触れました。思っている以上に時間はかかりますし、色んなハプニングも発生します。
単純に進めることが難しいプロジェクトだからこそ、システムを導入する側とされる側の理解を丁寧に擦り合わせながら進めていくことが、成功のポイントになるでしょう。
それぞれのメンバーが、本来の目的を定期的に振り返れる環境を構築していきましょう。