ERPとは、企業活動に関するデータを一気通貫で管理できる統合管理システムのことです。生産・在庫・購買・販売・会計などの多岐にわたる業務を管理するために、ERPはさまざまな機能を持っています。

IDC Japan株式会社が行った「国内ERM市場ベンダー別 売上額シェア実績、2018年」の調査によると、2018年における国内ERP市場のシェア首位を獲得したのはSAP社です。今回は、そのSAP社が提供するSAP S/4HANAをベースにして、ERPの基本機能を紹介していきます。

ERPの基本機能

ERPの基本機能を紹介するにあたり、ここではSAP S/4HANAの主要な機能を6つ挙げておきます。

・生産管理(PP)
・購買管理(MM)
・在庫管理(MM)
・販売管理(SD)
・財務会計(FI)
・管理会計(CO)

それぞれ独立しているように見えるかもしれませんが、各機能で取り扱うデータは連携されてつながっています。ERP導入がリアルタイム経営を実践するためのソリューションの1つになっているのは、これが大きな理由です。

それでは、SAP S/4HANAの概要を上記の機能ごとに見ていきましょう。

生産管理(PP)

生産管理は、製造業において欠かせない重要な機能です。製品の生産計画の立案、部品所要量の計算、製造の進捗管理、品質管理、原価管理などの業務をサポートします。また、在庫や生産現場のリアルタイムな状況に応じて、タイムリーに計画を調整することもできます。

在庫管理(MM)

在庫管理では、製品・部品などの入出庫、棚卸しなどの業務をサポートします。在庫管理で取り扱われる在庫情報は、生産における部品投入や製品完成、購買による受取、販売による出荷とともに、リアルタイムに更新されていきます。

購買管理(MM)

購買管理では、生産のための所要部品も含め各部門の購買依頼を取りまとめ、仕入先の選定、発注、受取、請求書照合などの業務をサポートします。リアルタイムに更新される在庫情報に基づいた必要十分な購買依頼により、サプライチェーンを合理化できます。

販売管理(SD)

販売管理では、引き合いに基づく見積書送付、受注、製品の出荷、売上計上、顧客への請求などの業務をサポートします。製品在庫のリアルタイムな状況を把握できるため、タイムリーで無駄のない営業活動が可能です。

財務会計(FI)

財務会計では、法律で定められた情報開示に必要となる会計処理・決算処理の業務をサポートしています。会計処理に必要な仕訳情報は、例えば売上に関する仕訳であれば販売管理における出荷をトリガーに自動記帳するなど、業務と会計をスムーズに連携させられます。

この他にも、販売・購買にともない発生する債権・債務の管理業務もサポートしています。例えば期日を過ぎても入金のない債権があれば、経理部門の担当者は販売部門に対してタイムリーかつセキュアに確認を取ることができます。

管理会計(CO)

管理会計では、ユーザー企業の状況に応じて自由な形式で、リアルタイムに連携されたデータを用いたさまざまな分析ができます。例えば、製品や市場セグメント別の収益性を分析する、事業部門別に利益への貢献度を評価するなど、今後の意思決定に有用な情報を適時に得ることができます。

ユーザー企業に合ったかたちでのERP導入を

今回は、一般的な製造業をイメージしながら、SAP S/4HANAの基本機能の概要を紹介しました。

しかし、業種が変われば必要な機能も変わります。例えば製造を行わないユーザー企業の場合、生産管理の機能は通常使いません。ERPはユーザー企業の状況によって使われ方が異なるため、その企業に合ったかたちでの導入を検討する必要があるわけです。

この点、SAP社は過去の案件で得たノウハウを蓄積しており、SAP Best Practicesというかたちでさまざまな業界に対応したソリューションを提供しています。これを利用することで、ユーザー企業は自社に最適なかたちで効率良くSAP S/4HANAを導入できるようになっています。

ERPの成否を分けるのは、必要な機能を過不足なくユーザー企業の業務に合ったかたちで導入できるかどうかです。ERP導入の効果を最大化するためにも、まずはユーザー企業の業務プロセスを理解し、必要となる機能を見極めておくことをおすすめします。

(画像は写真ACより)

▼外部リンク

SAP S/4HANA ERP
https://www.sap.com/