オンプレミスでの人材管理システムの需要

最近は、クラウドの人材管理システムが多く採用される中、オンプレミスでの導入を望む企業も存在しています。そのニーズは、大企業に多く、すでに多くの既存システムをオンプレミスで導入しており、人事システムもオンプレミスで導入することで、社内システムを独自(オリジナルの仕様)に統合させることが目的です。

また、こうした大企業は、セキュリティの意識も高く、独自のデータセンターに人事情報を保持しようとします。それらを実現するための人材(有能なシステム管理者や人事コンサルタントなど)とのパイプも強く、資金力もあるため、オンプレミスでの人材管理システムを導入することができます。今回は、そんな大企業から求められる、SAP社が提供しているオンプレミスのHCM(Human Capital Management)システムを紹介したいと思います。

SAP ERPのコアHR

SAPのコアHRには、基本的な人事プロセス(従業員の情報管理や勤怠管理、給与管理など)の機能は、もちろん含まれています。その上で、大企業にとって最も有用と考えられる部分は、グローバル対応です。SAPのコアHRには、58以上の国に対してベストプラクティスが存在します。各国の法律や労働法、および人事規制を踏まえた特定の機能が備えられています。グローバルでHRコンプライアンスを遵守していくことは、SAPのコアHRシステムのようなパッケージを使用しないと実現は難しいといえます。まずこの標準的にグローバルに対応していることが、SAP社のHRシステムが最初の選択候補に選ばれる理由になっています。

コアHRを利用することでの主たるメリットは、自動的に人事情報をレポート・指標化してくれる機能があることです。従業員の勤怠管理や給与管理などの人事プロセスが簡素化され、見える化されていることで、人事部と各社員が同じ指標をもとに会話することができます。また、従業員の労働生産性についても測定することができます。個々の社員がどの程度利益に貢献できているかが、計測可能な値で管理されることで、公正な評価へとつなげることができます。

その他、採用の管理や社員教育の管理も行うことができます。採用管理では、社内で不足しているスキルをもった人材を一元的に管理することができます。求人に対する応募情報を蓄積することで、今後の採用予測を立てることもできます。社員教育の面では、従業員の各レンジに応じた教育カリキュラム・昇格に必要なスキルや資格等を関連付けてレポート化することができます。

社内に優秀な人材を確保するために

自社の優秀な人材ほど離職しているように感じていませんか?優秀な人ほど、現状に自身の評価を大切にしているし、現状に満足せずに次のステップアップを考えています。「自分にとって最適であるかどうか?」「評価基準が公正であるか?」「評価基準が明確であるか?」多くの社員が、同じような気持ちを少しずつ感じながら働いているはずです。上司・同僚・部下それぞれとのコミュニケーションの中で、自分の会社を客観的に評価し、今の会社に居続けるか否かを考えています。

人事評価に偏りを出さないために、システムを利用することはとても有用です。上司と部下のコンタクトを実績として残していくことや、自身の働きが利益に対してどの程度貢献しているかが見える化されることは、評価する側される側の双方に大きなメリットをもたらすはずです。

しかし、その人のすべてをデータにすることはもちろんできません。日本人は特に、目に見えないところで機転を利かせてくれていることがあります。わざと縁の下の力持ちの立場に回ってくれていることもあります。すべての評価をシステム内の値だけで行うのは難しいかもしれませんが、「企業に貢献してくれている社員を見落とさない」「各社員を公平に評価する」といった意味合いでは、HRシステムは有用であり、SAPのコアHRもその候補として上げるべきシステムになるのではないでしょうか。