IoTやAI等のテクノロジーが進化した現在において、「インダストリー4.0」という概念が注目されています。インダストリー4.0では、デジタル化によって企業活動のあらゆる工程を統合して、低コストで高品質、そして、柔軟なものづくりを目指します。

SAP社はインダストリー4.0を実現すべく、デジタルサプライチェーン管理(SCM)ソリューションを提供しています。今回は、そのなかにおける製品ライフサイクル管理(PLM)とサプライチェーン計画に関するソフトウェアについて紹介していきます。

製品ライフサイクル管理

「製品ライフサイクル管理(PLM)」とは、企業の製品情報をライフサイクルの全期間にわたって包括的に管理することです。自社の製品ポートフォリオを一元管理することで、コスト削減や利益拡大を実現することができます。

SAP社のPLMソフトウェアでは、プロジェクトポートフォリオ管理(PPM)・プロジェクトの運用管理・製品コストの管理・製品エンジニアリング等をサポートする機能を提供しています。では、それぞれのソフトウェアについて見ていきましょう。

SAP Portfolio and Project Management

SAP Portfolio and Project ManagementはいわゆるPPMソフトウェアで、プロジェクトを包括的に管理することができます。現在のプロジェクトを包括的に把握することで、リソースを最適に配分しながら柔軟に製品開発を行えるようになります。

プロジェクトの進捗状況はリアルタイムに共有されるため、遅延等の問題発生があればいち早く確認し対応することができます。プロジェクトを随時モニタリングして適時に修正していくことで、企業をビジネス目標の達成へと導きます。

SAP Commercial Project Management

SAP Commercial Project Managementでは、プロジェクトに関するさまざまな情報を一元的に管理するため、関係するメンバーが適時に確認することが可能です。分析機能が組み込まれており、プロジェクトの状況に関するレポートを簡単に作成することができます。

また、財務データ等と連携し、収益やコストを高い精度で予測してプロジェクトの計画を立てることもできます。計画に基づいてプロジェクトが進行しているかを管理することにより、問題点をすばやく把握して改善、顧客満足度の向上へとつなげられます。

SAP Product Lifecycle Costing

SAP Product Lifecycle Costingは、製品の設計・開発をコスト面から分析・シミュレーションし、プロジェクトの収益確保をサポートします。初期段階で正確なコストを把握することで、より積極的な製品開発や顧客ニーズへの細やかな対応が可能となります。

また、SAP ERPをはじめExcel等のスプレッドシート、他のシステムからデータをインポート・エクスポートすることもできます。さまざまなデータを柔軟に利用できるため、幅広い環境に対応可能です。

SAP Engineering Control Center

SAP Engineering Control Centerを利用すると、機械・電子・ソフトウェア等の各分野のエンジニアが、統合されたプラットフォーム上で製品開発を進めることが可能になります。製品に関連するすべての情報が集約されているため、効率的な製品開発を実現できます。

オーサリングツール向けインターフェースなので、ユーザーは直感的に操作することができます。さまざまな形式のデータに対応しており、安全性を確保しながら高度な処理を実行できるようになっています。

サプライチェーン計画

「サプライチェーン計画」とは、企業や組織を超えてサプライチェーン全体について、最適な調達・生産・在庫・販売を実現するための計画を作成することです。これによって在庫最適化によるコスト削減、販売機会増加等の効果を期待できます。

SAP社のサプライチェーン計画ソフトウェアを活用すると、リアルタイムな市場の状況に対応することが可能となります。計画機能・コラボレーション機能に関するソフトウェアについて、それぞれ紹介していきます。

SAP Integrated Business Planning

SAP Integrated Business Planningでは、デマンドセンシング機能等を用いて短期・中期・長期の予測を行い、将来の製品需要を見通すことが可能です。これに基づいて、最適な在庫目標の設定、販売計画や需給計画の策定を行います。

また、需要主導型補充(Demand Driven MRP)の機能を使用すると、市場の状況に動的に対応して、サプライチェーン全体として最適な在庫補充を行うことができるようになります。柔軟な市場動向への対応によって、在庫コストと機会損失の両方を抑えられます。

SAP Ariba Supply Chain Collaboration for Buyers

SAP Ariba Supply Chain Collaboration for Buyersは、サプライチェーンのパートナーとのコラボレーションを可能にするソフトウェアです。組織の垣根を越えてリアルタイムに情報共有することで、発生するさまざまな問題に対してすばやく対処できるようになります。

複雑なサプライチェーンを統合して管理することにより、全体が可視化され、最適な運用が実現できます。サプライチェーンが最適化することにより、在庫コストを大幅に削減することも可能かもしれません。

デジタル活用による情報の「統合」

SAP社のデジタルサプライチェーン管理ソリューションは、さまざまな情報をデジタル化によって統合し、顧客のニーズへの迅速な対応を低コストで実現することを目指しています。今回紹介したPLMとサプライチェーン計画の分野でも、統合は大きなポイントでした。

統合によってリアルタイムに企業全体、サプライチェーン全体で情報共有することにより、市場への柔軟な対応が可能となります。企業によってサプライチェーンにおける課題はさまざまですが、解決には「統合」が1つのキーワードとなるかもしれません。

(画像は写真ACより)

▼外部リンク

SAP デジタルサプライチェーン管理
https://www.sap.com/