企業間の課題と企業内の課題

前回の記事で、SAP Aribaのネットワークについて紹介しました。SAP社が提供するこのプラットフォームを使用すれば、世界中のバイヤーとサプライヤーがマッチングできるサービス(SAP Ariba Discovery)を利用することができます。そのサービスのステップはとてもシンプルで、①ニーズを示す②提案を検討する③選択する の3ステップだけです。このサービスを利用することで、新しい顧客を発掘し、受注・販売へとつなげていくことができます。

新しいビジネスを開拓するサービスとして、SAP Aribaはとても効果的なネットワークを提供してくれています。各企業の課題は、こうした本業の取引(企業間)だけではなく、企業内にも多く存在しています。どこの企業でも会社と従業員の間で、経費や旅費等の精算が存在し、そのバックオフィス業務に多くのコストが掛かっています。今回は、SAP社が提供している出張・経費管理を行える、Concur(コンカー)という製品について触れていきます。

SAP Concur(旧コンカー・テクノロジーズ)とは

コンカー・テクノロジーズは、SaaS型の出張・経費管理クラウドベンダーです。全世界で4万社以上が導入しており、クラウド型の出張・経費管理システムとしてのデファクトスタンダードのシステムです。規模の大きい企業向けのSaaS型システムとしては、セールスフォース・ドットコムについで第2位の売上高を誇ります。2014年にSAP社から買収され、現在はSAP Concur というソリューションとして提供されています。

Concurの特徴

Concurは、DX:デジタルトランスフォーメーション(ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる)の考え方を保持しているシステムです。

経費精算のサービス(Concur Expense)は、電子帳簿保存法に対応しており、スマホから領収書の写真等を保存することで経費精算を行うことができます。他にも、交通系ICカードと連携することで、交通費の煩わしい入力も省力化することができます。

出張管理のサービス(Concur Travel)は、モバイルアプリ上で飛行機・ホテル・レンタカーなどの手配状況を管理できる機能や、出張申請から承認までのプロセスの状況を把握することができる機能があります。こうした機能を有することで、実業務担当者は本業に集中(雑務に費やす時間を削減)できます。

また、経費や旅費を管理するバックオフィス業務者にもメリットがあります。経費使用ルールの違反を自動チェックしてくれる機能や、明細が一元的に管理されていることで、経費の使用状況をリアルタイムで把握できる支出管理機能などがあります。出張についても、適切な価格での予約管理や不正利用を検知できる機能、集中購買でより良い交渉条件を引き出す機能などがあります。さらに、出張者のリスク管理を行う機能もあり、災害やテロが発生した際の安否確認・対応指示もコンカー上で行うことができます。

まとめ

規模の大きい企業では、経費精算や出張管理等の間接業務にかかるコストは数億円にも登ります。これらの業務を担当する部署を企業内で集約し、SAP Concurのようなデジタルトランスフォーメーションを意識したクラウドサービスを利用することで、効果的なコスト削減と業務効率化につながります。社員が本業に集中できるように、間接業務を担当する社員が効率的に作業できるように、各社員が業務の最適化を意識しながらシステムを使用していくことで、新しい働き方を体感していくことができるのではないでしょうか。