SAPのマニアックなモジュール

SAPの基幹業務を一斉に導入するプロジェクトは、「ビッグバン導入」と呼ばれます。その際に、必須となるモジュールは販売管理(SD)、購買管理(MM)、生産管理(PP)、財務会計(FI)、管理会計(CO)です。

しかし、SAPには、これらのモジュール以外にもモジュールを保持しており、それぞれのプロジェクトの必要に応じて使用されることになります。今回は、SAPの中でも少しマニアックな会計系のモジュールである、「財務/資金管理(CM)」「設備予算管理(IM)」「経営管理(EC)」モジュールについてまとめてみました。

モジュールの概要

[財務/資金管理(CM)]
もともとFSCMモジュールとして存在しており、現在はCM(Cash Management)モジュールと呼ばれている領域です。CMモジュールの特徴として、資金管理ポジションと流動性予測という機能が上げられます。資金管理ポジションは、現預金の会計伝票の情報に仕向銀行情報を付与しておくことで、銀行口座別の残高を簡単に把握することができます。流動性予測の機能は、日々発生する債権債務の会計伝票の情報に仕向銀行情報を付与しておくことで、銀行口座別の残高の変動を予測することができます。

これらの、2つのメイン機能を使用することで、実績と予測の両方のキャッシュの動きを把握することができ、予備として準備しておくべきか否かの、口座間の資金移動の必要性を簡単に把握することができます。

[設備予算管理(IM)]
設備予算管理とよばれるIMモジュールは、企業の資本投資計画、投資の実施、投資内容の管理、投資結果の分析を行うことができます。主な機能として、企業の超長期計画の立案、組織単位での予算枠管理・承認、組織を横断した投資案件の管理などがあります。投資案件のシミュレーションを事前に行うことができ、期中でもリアルタイムで進捗率等を確認することができます。

IMモジュールは、財務会計(FI)・管理会計(CO)でサポートされていない部分をまかなうことができます。投資のライフサイクルをSAPで管理できることは、他モジュールにもリアルタイムに連携することができ、迅速な経営判断へとつなげることができます。

[経営管理(EC)]
経営管理と呼ばれるECモジュールは、連結会計(EC-CS)と利益センタ会計(EC-PCA)に分けられます。連結会計(EC-CS)は、貸借対照表・損益計算書はもちろん、地域別売上高や資産台帳まで連結ベースで把握することができます。利益センタ会計(EC-PCA)は、管理会計(CO)モジュールと経営管理(EC)モジュールをつなげる役割を果たしています。

計画および実績を、社内の責任範囲(利益センタ)単位にデータを集計することができます。法人を跨ぐ管理が求められる場合、利益センタ会計は、必須のツールとなります。

まとめ

SAPのマニアックなモジュールの内容はいかがだったでしょうか。ビッグバン導入のモジュールに加えて、多くの企業で求められる補助モジュールが準備されていることで、SAPの価値をさらに増加できる可能性があります。ただ、これらのモジュールに関する業務プロセスに詳しいSAPコンサルタントは、市場にはかなり少ないため、知見者を集めるのに苦労すると思います。

今回紹介した、CM・IM・ECモジュールと同じような機能を保持しているSAP以外のシステムも多数存在しているため、SAP外で管理していくという企業も多いです。SAPを導入時のグランドデザインをする際に、SAPモジュールを利用すべきか外部システムを利用すべきかの判断は慎重に行うようにしましょう。