CRM(Customer Relationship Management)

どのような企業でも、かならず顧客が存在します。できるだけ多くの顧客と良好な関係を築いていくことが、ビジネスを成長させる大きなカギになります。小さな個人事業であれば、個々に顧客を認識すればよいですが、人力では把握しきれない顧客を抱える大企業には、顧客を管理するシステムは必須と言えます。顧客との関係構築、顧客情報の管理に特化しているシステムとして、CRM(Customer Relationship Management)が存在します。

昨今の厳しいビジネス環境の中で、企業が売り上げを拡大し、成長し続けていくためには、顧客とのさまざまなコンタクト(セールス、マーケティング、サービスの提供)から得られる効果を最大限に高める必要があります。CRMは、顧客との接触機会の情報から競合他社と差別化をし、長期的な目線で競争力を強化できるツールです。今回は、SAP社が提供しているCRM(SAP CRMモジュールから、SAP C/4 HANAへとブランド変更した)機能についてまとめていきます。

SAP C/4 HANA

C/4は、2018年6月に「SAP CRM」から「SAP C/4HANA」にブランド変更された、SAP社が提供するCRM製品群の総称です。C/4 HANAは、主力の「S/4HANA」と対になるネーミングで、「SAP HANA」を土台にバックエンドとフロントオフィスが結びつく点を、この製品の最大の差別化とポイントとしています。C/4 HANAは、2013年に買収したHybrisの技術を使用しており、主要なコンポーネントは5つあります。

SAP Customer Data Cloudは、名前の通り顧客情報を効果的に管理するコンポーネントです。サイトに訪れた顧客を、できる限りシンプルに「会員登録」させる仕組みが整っています。SNSと連携、シングルサインオンなど、より直感的な作業のみで顧客プロファイルを取得できるようになっています。

SAP Marketing Cloudは、収集した顧客の行動データを分析し、その意図を読み取ったり、隠れた傾向を導き出す手助けをしてくれます。リアルタイムで、BI(ビジネスインテリジェンス)を活用し、収益性に関わるデータの視覚化を行い、適切な意思決定へと導いてくれます。

SAP Commerce Cloudは、あらゆるタイプの市場に参入できるeCommerceのプラットフォームです。顧客が、求めている情報にできる限り早くたどり着けるフロント画面、タイト管理者が柔軟に運営できる管理インターフェースが提供されます。その他、プロモーションやキャンペーンをシームレスに展開することができます。

SAP Sales Cloudは、顧客の購入プロセスをシンプルにすることができ、顧客活動を自動監視できます。担当者は、状況を包括的に把握し、一歩先の予測分析へとつなげることができます。また、見積・契約作業を迅速に作成できる機能も兼ね備えており、営業担当者をサポートしてくれます。

SAP Service Cloudは、フロントで認識した問題や課題を、バックオフィスメンバーとONEチームになって対応できるための仕組みです。できる限り質の良いサービスを顧客に提供するためには、フロントとバックオフィスがチームでありつつ、各自の職務を適切に作業できる仕組みを提供してくれます。

まとめ

ビジネスは、最終的に必ず人と人で成り立っています。どんなにすぐれたCRMシステムがあっても、関わり合った人同士の関係性が壊れてしまっては、良いビジネスを行うことはできません。ビジネスの中で、CRMシステムの情報が活かされる部分と、担当者個人のコミュニケーション能力に依存する部分とをきちんと理解し、より正確な情報をより効率的使用することで、CRMの価値はより大きくなっていくのではないでしょうか。