はじめに

社員数が多い大企業では、教育や評価、人材獲得等で多くの課題を抱えています。人事部がすべての社員を理解することは不可能である中で、より適切な評価が求められ、各社員のスキルに見合った教育の提供が必要とされます。昨今では、人事部をサポートするための人材管理システムが数多く登場しています。今回は、ERPシステムで世界的に有名なSAP社が提供している、SuccessFactorsについて触れたいと思います。

SAP SuccessFactorsとは?

SuccessFactorsは、SAP社が提供している、フルクラウドの人材管理システムです。クラウドであるメリットとして、社員数の増加やグローバル化に柔軟に対応できます。さらに、各種法令への対応も自動的にアップデートされ、最新のシステムを常に使用できることが魅力の1つです。

SAP社は、SuccessFactorsを「人材にかかわるあらゆる情報を一元的に管理し、人材戦略を立てやすいビューとして見せるシステム」と説明しています。つまり、SuccessFactorsは人事部のためだけのシステムではなく、組織全体へ展開できるシステムということです。

社員全員の情報を見る権限を一定層以上のマネージャーに与えることで、どの部署にどのようなスキルを保持している人材がいるかを、組織を横断して認識することができます。組織変更があった際に、新しく自身の部下となったメンバーの情報を確認したり、新しくプロジェクトを立ち上げようとした時に、求める人材を探しやすくなります。

また、社員の能力・スキルを一元管理できるため、部下たちの現在のパフォーマンスを適宜チェックでき、足りないスキルも確認することができます。各社員の能力を高めるために、どのような教育をするべきか?どのようなプロジェクトにアサインすべきか?を適切に管理していくことができます。そして、教育を受けた結果・プロジェクトでの経験を積んだ結果を数値化して(計測可能な状態で)把握することができます。

さらに、SuccessFactorsには、「後継者管理」と呼ばれるユニークな後任計画機能があります。各部門のマネジャーが、自身の後継者の候補を検討したり、後継者に対しての教育プランを立てたりすることもできます。

SuccessFactorsの学習・キャリア開発ソリューション

今回は、SuccessFactorsのソリューションの中で、社員の学習と開発に関わる部分に触れたいと思います。SuccessFactorsには、学習管理を行う「Learning」とキャリア開発を管理する「Succession & Development」のソリューションがあります。

「Learning」は、社員の学習管理システムとしての位置付けです。各社員の目標に対して、継続的な学習プログラムを提供します。また、コンプライアンスに関わる学習も、このソリューションで提供でき企業の法的リスクを抑えることができます。

「Succession & Development」は、社員の育成計画・キャリア開発を支援するソリューションです。企業が求める人材と社員が進みたいキャリアとのギャップを解消する手助けをしてくれます。社員自身が自分のキャリアパスを管理し、客観的で公平な評価を受けられる土台となります。

その他、これらのソリューションを加速させるためのツールとして、「SAP Jam Collaboration(チーム間の情報交換を効率化するソーシャルツール)」や「SAP Enable Now(学習効果向上のためのツール)」も提供されています。

まとめ

企業のチーム力を底上げしていくには、各社員の継続的な学習によるスキル向上が不可欠です。その結果として、適正な評価を与えることで、モチベーションが維持され、さらなるスキルアップに励むと思います。SuccessFactorsも、大企業の人材管理をドラスティックに効率化するための1つの候補として考えることができるのではないかと思います。