ERPパッケージで世界的なシェアを誇るSAP製品は多くの企業で採用されており、ITコンサルティングにおいてSAP案件は多く存在します。とくに今は従来のSAP製品のサポート期限が迫っている状況にあり、SAPコンサルタントの求人も増えていくことが予想されます。

今回はそんなSAPコンサルタントについて、仕事内容のイメージを紹介したうえで、必要とされる専門知識や経験、SAPコンサルタントになるためのポイント等について解説していきます。

SAPコンサルタントの仕事内容

SAPコンサルタントが担当する業務は、ERPパッケージを中心にクライアント企業へSAP製品を導入することです。そして、ただ単にSAP製品を導入するだけでなく、クライアント企業の経営課題を解決し業務改善を実現することが求められます。

ERPパッケージ等の基幹業務システムを導入する場合、クライアント企業に合うようにERPパッケージをカスタマイズしていくことになります。また、クライアント企業用にアドオンを開発したり、業務プロセスをERPパッケージに合わせて変更(改善)したりすることもあります。

クライアント企業にはさまざまな業種・業態があり、導入の範囲や目的、環境も異なります。これらの作業は、関連する業務部門やIT部門の各担当者とコミュニケーションを取りながら、丁寧かつスピーディに進めていくことが必要となります。

SAPコンサルタントに求められる5つの知識と能力

大まかな仕事内容を説明したので、これを踏まえてSAPコンサルタントに求められる知識や能力について見ていきましょう。SAPコンサルタントがクライアント企業の期待に応えるためには、幅広い知識と能力が必要となります。

ここでは、SAP製品に関する専門知識・担当する業界や業務プロセスに関する知識・コミュニケーション能力・問題解決能力・プロジェクトマネジメントのスキルの5つを挙げて、それぞれ説明していきます。

SAP製品に関する専門知識

SAPコンサルタントはSAP製品の専門家であるため、当然ながら導入するSAP製品について専門的な知識が求められます。SAP製品は対応領域は幅広く、財務会計・販売・購買・在庫・生産等、さまざまな領域をカバーしています。

なお、これらの領域ごとに、SAP認定コンサルタントという資格が用意されています。この資格を取得することは専門知識を保有していることの証明となるため、業務上必須というわけではありませんが、SAPコンサルタントとして活動するうえで取得しておくことが望ましいでしょう。

担当する業界や業務プロセスに関する知識

SAPコンサルタントが最終的に求められるのは業務プロセスの改善であるため、業務プロセスに関する知識も必要です。例えば財務会計の領域を担当した場合、経理に関する知識がなければ適切な判断をすることはできません。

単にSAP製品の専門家としてだけではなく、クライアント企業の業界や業務プロセスについても深い知識が求められるというのは、とても重要なポイントです。この両方の知識があることで、より効果的なコンサルティングが可能となるでしょう。

コミュニケーション能力

SAPコンサルタントの業務においては、クライアント企業との間におけるコミュニケーションがとても重要です。コミュニケーションを適切に取ることによって、クライアント企業が望むプロジェクトの目的や業務部門が抱える課題等を正しく理解することができます。

業務改善には現状の運用を変える必要がありますが、とくに現場においてはさまざまな抵抗が生じやすいものです。プロジェクトをスムーズに進めていくには、現場の事情を正しく理解したうえで、プロジェクトの目的も正しく伝えるといったことがとても重要となります。

問題解決能力

SAP製品の導入にあたって、クライアント企業はなにかしらの課題を抱えており、それを解決することを望んでいます。その課題を正しく認識して整理したうえで、論理的に分析して解決策を検討することが求められます。

例えば、SAP製品の導入にあたって、現場の業務プロセスに変更が必要となる場合があります。その際、現場の事情とプロジェクトの目的の両方を踏まえながら、合理的な妥協点を探るといったことが必要になります。

プロジェクトマネジメントのスキル

SAPコンサルタントとしてより上位の職位に就くと、SAP製品の導入プロジェクト全体を管理することになります。プロジェクトを成功させるためには、プロジェクトに進捗状況や作業品質等を適切に管理する必要があります。

SAPコンサルタントとしてのスタート時点では、与えられた課題をこなしながら業務に必要となる知識やスキルを身につけることになります。それと同時に、プロジェクトマネジメントに関するスキルも磨いていくことが理想的です。

SAPコンサルタントになるために

SAPコンサルタントに必要な知識や能力について説明してきましたが、幅広い能力や知識が求められることがわかったと思います。ただし、SAPコンサルタントになるチャンスは広がっており、SAP製品の経験がなくても転職することは十分可能です。

例えば、事業会社側でのERP導入経験がある、基幹業務システムの開発・導入経験がある、業務プロセスに関する専門知識を持っているといった人は、SAPコンサルタントとして採用される可能性が高いでしょう。

その際は、自身が保有する知識や経験を認識したうえで、それに適合する分野でSAP製品に関するスキルも磨いていくことがおすすめです。SAPコンサルタントはSAP製品以外の知識・能力も必要になるため、それを自分ならではの付加価値へとつなげていってほしいと思います。

(画像は写真ACより)