SAP社の従来ERPパッケージ製品がサポート終了となる2027年問題(旧2025年問題)により、SAP製品導入会社の新製品への移行が急がれています。この影響からSAPコンサルタントの人材不足は、今後より一層深刻になることが予想されます。

こういった背景もあり、SAPジャパンはSAPコンサルタントの育成をサポートする「パートナーサクセスプログラム」に力を入れています。SAPコンサルタントを増やし、SAP製品の導入支援等を行うパートナー会社の品質を向上させるのが狙いです。

今回は、このパートナーサクセスプログラムについて簡単に紹介していきます。SAPコンサルタントを目指すうえで知っておきたい仕組みなので、概要を押さえておくことをおすすめします。

パートナーサクセスプログラムとは?

パートナーサクセスプログラムは、SAPジャパンがパートナー会社のSAP製品に関するビジネスをサポートするプログラムです。具体的には、事業計画の策定や人材採用のサポート、SAPコンサルタント育成のための研修、実践形式のワークショップ、プロジェクトのサポートといった施策を提供しています。

事業計画から実際にSAP製品の導入等のプロジェクトを進めるところまで、エンドツーエンドでパートナー会社をサポートしているのが特徴です。そのなかでも、近年はSAPコンサルタントを育成していく施策にとくに力が入れられています。

2019年4月には、パートナーサクセスプログラムの内容が刷新されました。人材採用のサポートやプロジェクトのサポート等が強化され、実践型のワークショップが新設されたかたちです。ここからも、SAPコンサルタントを育成して人材不足を解消したいという狙いが見えてきます。

人材育成のための施策内容

パートナーサクセスプログラムにおける人材育成がどういうかたちで行われるのか、もう少し詳細を見ていきましょう。SAPコンサルタント育成のための研修と実践形式のワークショップの部分です。

SAPコンサルタント育成のための研修は、SAPコンサルタントとして認定取得するための知識を身につけるためのものです。クラスルームトレーニング形式、自習と講師による補修を組み合わせたもの、機能検証環境の短期構築というかたちで行われます。

実践型のワークショップは、アプリケーションコンサルタント向けとテクニカルコンサルタント向けの2領域が用意されています。SAPジャパン所属のSAPコンサルタントが3日間の座学形式で、プロジェクトの進め方やシステム導入後のサポートにおけるポイントといった実践的内容を解説します。

深刻なSAPコンサルタント不足

2019年4月のパートナーサクセスプログラム刷新に関する説明会では、2024年までに国内におけるパートナー会社のSAP関連事業規模は7,000億円から1兆4,000億円となるとの予想が発表されています。5年で2倍の急拡大ということで、人材の確保は急務と言えるでしょう。

この説明会では、パートナー会社においてSAPコンサルタントは1,000人単位で不足しているというSAPジャパンの試算にも触れています。この人材不足が加速してしまうのを避けるために、SAPジャパンは人材育成に力を注いでいるわけです。

なお、2018年度には、認定SAPコンサルタントは2,888人、新規パートナー会社は53社増加しています。とても大きな増加にも見えますが、今後の需要拡大を踏まえると、より一層の人材確保が必要になるものと考えられます。

チャンスと捉えることも

このように、SAPコンサルタントは現在も人材不足が進んでいる状況にあります。この人材不足を解消するため、SAPジャパンはパートナーサクセスプログラムを通じて、SAPコンサルタントの育成を図っているわけです。

2019年4月にパートナーサクセスプログラムは刷新され、内容はより充実したものになっています。SAPコンサルタントを目指すという視点から考えると、SAPコンサルタントとしてのスキルを身につけやすく、仕事を覚えやすい環境にあるとも捉えられます。

もちろんSAPコンサルタントになることはゴールではなく、あくまでもスタート地点にすぎません。ただ、SAPコンサルタントになってから正しく努力できる人にとっては、現在の特別な状況は大きなチャンスと言っていいのではないでしょうか。

(画像は写真ACより)